第63回 お二人様怪談〜ついてくる亡霊は男?,女?

 岡本綺堂の「木曽の旅人」や小山内薫の「因果」は死んだ女とともに旅を続ける男の物語である。宿で二人分の膳が出ることから背後に付き添う死者の存在を悟る点で、何れも共通のモチーフを備える。
 一方、「お二人様怪談」の源流は中国明代の説話集『迪吉録』に求められるものであり、その翻案作に西鶴の『万の文反古』や勧化本の『諸仏感応見好書』がある。しかしそれらは「殺された夫の亡霊」が付き纏う話になっており、「女霊」の怪異を語る近代の作品,説話との間に性別の差異が見られる。幽霊=女の観念はどのようにして形成されたのか。お二人様怪談の文芸史をたどりながら日本怪談の特質を考えてみたい。

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開催日:2021年05月01日

会場(もしくはzoomミーティングID):ミーティングID: 861 8293 8615 パスコード: 716621

発表者:堤邦彦

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