第70回 『因果物語』の怪談あれこれ
江戸時代初期の仏書である片仮名本『因果物語』(寛文1・1661)には、数々の後代に継承される怪談の原型が備わる。
三河武士を出自とする禅僧・鈴木正三のもとに集められた話を弟子たちが編集して刊行したものである。
これまでにも様々な研究が行われてきたが、あらためて怪談研究の観点から検証しなおす端緒とした。
今回の研究会では、「越中立山地獄」「髪にまつわる話」「生霊供養」「破戒の僧の後妻打ち」というトピックスを設けて、おもに鈴木正三の言行録をあつめた『驢鞍橋』(万治3・1660)と比較しつつ検証した。
仏教唱導と怪談との蜜月な関係をあらためて認識し、『因果物語』をはじめとした鈴木正三の作品を掘りさげて読み進める端緒となった。
*資料の『因果物語』の刊行年が誤っていました。「寛文元年<1662>」となっていますが、正しくは「寛文元年<1661>」です。失礼しました。
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開催日:2022年01月22日
会場(もしくはzoomミーティングID):ミーティングID: 86373242738 パスコード: 261673
発表者:門脇大