第62回 追う妖怪
追う女その1にて、女の幽霊を多くとりあげていただいたことを踏まえ、逃げる者を追いかける<妖怪>に着目した。
多くの妖怪がいる中、追う妖怪は見事に女の姿をした(もしくは女に化けた)妖怪ばかりであった。
女の中でも老婆が非常に多いことから、江戸の男たちにあった深層心理における恐怖の対象、そしてジェンダーバイアスが見えてくる。
妖怪の中には、人間が鬼・鬼婆などの妖怪に变化したパターンと、もともと妖怪であるものが騙そうと人に化けているパターンの2つに分かれる。幽霊ものや、元人間が变化したパターンにおいては、なぜ幽霊や物の怪になってしまったのかという背景に重きを置いて描かれることが多く、怪談という括りでありながら、こわいだけではなく悲劇的かつドラマティックな要素が魅力となっている。
また、追われる対象の大多数が物語の主役となる人間であるが、例外的に水を追い求めて走り去っていく新御伽婢子『即身毒蛇』のような話は、人の内面や行いについての警鐘を内包しているわけでもないため、神社や神道に関わりがあるのではないかという意見もでた。
追う男妖怪/追う無性別の妖怪は、参加者みなさんの意見を集めても見当たるところがなかったが、
<追う男の幽霊>については1作品あるということなので、次回は堤先生にその<追う男の幽霊>をご発表をいただこうと思う。
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開催日:2021年04月10日
会場(もしくはzoomミーティングID):ミーティングID: 971 5506 4743 パスコード: 819712
発表者:なし(作品持ち寄りで意見交換会)